水巡りの記

2017年12月22日 三輪山登拝

今回の行程(HOLUX ezTour for Loggerにて作図)

今年も冬至恒例、三輪山を登拝させて頂く。三輪山を御神体とする大神神社は日本の最も古い神社の形式を残しており、拝殿はあるが本殿は無く、大物主神と同体である三輪山を直接礼拝する形になっている。そして、摂社狭井神社を登り口として、ご神体である三輪山に登って参拝をすることができるようになっている。

あくまでも「参拝」であってスポーツやリクリエーションとしてのハイキングや登山とは明確に区別するべきであろう。神域を汚す行為の禁止、飲食の禁止、写真撮影の禁止など、登拝受付の際にも注意事項が伝えられるので、もしご興味のある方はくれぐれも厳守の上、お参りして頂きたいと思う。

今回も朝7時頃に京都市内を出発、油小路・京奈和道を経て奈良市内に至り、国道24号から朝の渋滞を避けて帯解寺付近をかすめて国道169号に抜けて天理市内を通過、山の辺の道沿いの国道169号線を南下して桜井市内大神神社に至った。

大神神社

(写真をクリックすると大きなサイズで表示します。)

午前9:00頃、大神神社大鳥居横の駐車場に到着。冷え込んではいるが快晴の青空。


駐車場より三輪山を望む。去年の登拝の時の幽玄な雰囲気とはまた違った澄清な空気の中をお参りに進む。


まず、祓戸の神様である綱越神社にお参りする。


手水は氷が張っている。


一の鳥居をくぐり参道を進む。


一の鳥居正面にある通称「下社」、大神教本院にお参り。いつもながら、おばあちゃんの家に来たような懐かしい、暖かい感じがする。写真は、正面左手の三柱の鳥居。京都太秦・蚕ノ社の三柱鳥居との関連があるのか否かも気になるところである。


二の鳥居前に至る。すでにお正月の準備がされている。


大きな門松。


朝の爽やかな光の中、参道を進む。


拝殿には来年の干支、戌の絵馬が掲げられている。


勇ましい眼が印象的。

拝殿にてお参り。眼を閉じた瞼の裏に、水巡りの円環の道が広がって日本全体を潤し、地球全体を潤し、宇宙全体を潤す。水巡りの円環の道の渦が広がって、銀河のように宇宙に広がって行くヴィジョンが浮かぶ。

狭井神社


<今回のお参り経路・三輪山付近の拡大図>


摂社の狭井神社にて登拝の受付をし、いよいよ神域に入って行く。

今回は、汗をかかない程度にゆっくりゆっくりと登って行く。

登拝路の要所要所には、古い遺跡が点在している。それぞれで礼拝しながら道を進む。

登拝口から1時間半弱で山頂に到着する。まるでアンテナの鉄塔のてっぺんに立っているような感じがする。白山と伊勢へのリンクを感じる。年明け、節分前に伊勢にお参りに行く予定なのだが、今回の登拝と併せて良いタイミングだと感じる。

神域の中心に至って、やはり自分の本分は水巡りのお参りなのだということを再認識する。


ゆっくりと登拝路を下り、正午過ぎに狭井神社に戻る。


帰還報告のお参りをし、御神水を頂く。


狭井神社から若宮神社へ向かう。


若宮神社は元々は大神神社の神宮寺の一つ大三輪寺の観音堂。お像は聖林寺に移されたが、いまでも濃厚に観音の気配を感じる。三輪の神様と併せ、観音さんにも祈りを捧げる。

おわりに

現在、自坊の在り方やこれからの修法の進め方に関連して様々な動きがあり、検討を重ねているのだが、今回のお参りでは、自分の立ち位置がはっきりと確認できた。今回も、本質的なことがシンプルに見通せる良いお参りであった。