水巡りの記

2017年6月28日 若狭

今回のお参り地点(HOLUX ezTour for Loggerにて作図。)

昨年(2016年)12月12日以来の若狭お参り。

今年は3月以降ばたばたと動きがあり、なかなか水巡りのお参りに出ることができなかったが、ようやく自分にとっての「いのちの水」を汲みに来ることができた。

宝篋山天徳寺 瓜割の滝

(写真をクリックすると大きなサイズで表示します。)

まずは宝篋山天徳寺にお参り。境内はとてもみずみずしい。


蜘蛛の糸に一滴の水滴が。まるで宝珠のよう。



一面にドクダミの花が咲いている。


ドクダミは名前は仰々しいが、薬草にもなる。

鵜の瀬

続いて鵜の瀬に参る。


先ずは白石社にお参り。


こちらの境内もみずみずしい。


椿の大木の根本に苔がむす。


参道を振り返る。


鵜の瀬に降りる。写真ではとても見にくいが、美しい瑠璃色の胴体のトンボ=dragonflyがとまっている。ミヤマカワトンボか。


同じくとても見にくいが、ミヤマカワトンボのメスか。


鵜の瀬は巨大な女神がいます場所である。


鵜の瀬の上流根来の里は、奈良の東大寺二月堂の修二会を始めた実忠和尚(じっちゅうかしょう)の師僧である良弁(ろうべん)の出身地と言われる。鵜の瀬から根来に向かう道沿いに、若狭から京都に向かう「鯖街道」と、この良弁が子供の頃に鷲にさらわれて二月堂前の杉の木に引っかかっているところを助けられ、僧として育てられたという逸話を題材とした壁画が描かれている。


若狭彦神社

続いて若狭彦神社にお参り。


下社の若狭姫神社と共に遠敷明神を祀る。 東大寺二月堂の修二会の時、若狭の遠敷明神は海で釣りをしていて勧請に遅参したことからお詫びに若狭の閼伽水を本尊十一面観音に送り、それが「お水取り」の儀式となったと言われる。 そのため、二月堂前の香水(「こうずい」;仏様にお供えする聖なる水)を汲み上げる井戸は「若狭井」と呼ばれている。


参道から木々を見上げる。


やはりここもみずみずしい「水の地」だ。


御神紋の「波に宝珠」。

若狭姫神社


上社に続き下社の若狭姫神社にお参り。


境内の巨大な霊木の杉も生き生きしている。


御神紋、「波に宝珠」。


本殿向かって右手にある小さな摂社の玉守神社の屋根にも宝珠があしらわれている。お参りすると、水滴か水滴型の水晶のような宝珠から水平に土星の輪のように波紋が広がっていくヴィジョンが浮かぶ。御神紋の「波」は、宝珠を守るものでもあり、また宝珠から周囲に広がる波紋でもあるのかも知れない。


これまで何度もお参りしながら気づかなかったが、よく見ると本殿や周囲の摂社の屋根にも波の意匠が。


本殿向かって右手奥に、これもこれまで気に留めたことのなかった涸れた池がある。中央の島には龍の顔が浮かぶ岩が。謂われは不明だが、ちょっと謎めいている。

八百比丘尼入定窟

いつものように若狭フィッシャーマンズワーフにて早めの昼食をとり、小浜市内・空印寺境内の八百比丘尼入定窟にお参り。


磐山の麓に人魚の肉を食べ八百年生きたと言われる八百比丘尼が入定したという洞窟がある。八百比丘尼は一説には空海とも関わりがあったという伝説もあるらしいが、いったいどういう故事からこのような伝説が生まれたのか、とても興味深い。ここにもたくさん椿が植えられている。

お参り後、いつものようにすぐ近くの「石窯パンの郷こころ」にてパンを買って、帰途につく。焼きたてのチャバタがやたら美味であった。

今回の若狭参りは期せずして自分と宝珠・龍との繋がりを再確認するお参りであった。これを踏まえて、今自分が修すべき修法に関しても考えてみようと思う。