水巡りの記

2016年12月21日 三輪山登拝・秋篠寺

今回の行程(HOLUX ezTour for Loggerにて作図。)

本日は冬至。いつも一緒に水巡りのお参りをしているY女史と共に、三輪山に登拝するのが、我々の恒例になっている。昨年は都合によりお参りできなかったので、今回は2年ぶりの登拝である。

また先日、体調が回復した岡山に住む友人(2016年5月22日2016年6月16日の記参照)に誘われ初めて参拝した、大和西大寺近くの秋篠寺の伎芸天さんがとても印象深く、この機会にY女史も誘って再びお参りしようと考えた。

いつものように京都を朝7:00頃に出発。五条堀川を下り、さらに油小路通りを南下するうち、伏見のあたりから急に霧が濃くなってくる。

三輪山・大神神社

(写真をクリックすると大きなサイズで表示します。)

9:20頃、大神神社到着。

まだ霧が出ている。既に正月の支度がなされている。


参道は人影もまばらで、お参りには丁度良い。



大神神社拝殿。大神神社は古代の神社の様式を現代に残しており、三輪山自体がご神体のため、本殿は無い。

鳥居もしめ縄の形で、これが古代の鳥居の原型と言われる。


霧の間から指す陽の光が幽玄な雰囲気を醸し出している。


三輪山への登拝口のある大神神社摂社・狭井神社への参道。初詣客のための電灯設置工事が行われている。


狭井神社。まず拝殿にてお参り。続いて、社務所にて登拝の手続き。

登拝口前で奉幣にて自ら御祓い・お清めをし、登り始める。霧の中で木漏れ日が差し始め、霧の中なのに光が非常にクリアに見える。この世とは思われない光。言葉に言い表せない。

白装束に裸足で登っておられる女性の方が降りてくるのとすれ違う。前回登拝した時にもすれ違った方だ。毎日登拝しておられるのだろうか。「毎日」ではなかったとしても、少なくとも2年以上は登り続けておられるのだろう。前回2年前に感じたよりも空気が軽くなっておられるように思われた。着実に進んでおられるのだろう。

高度を増すに従って、霧が晴れてくる。中腹を過ぎて木々の間から地上を垣間見られるところまで来ると、霧が晴れたのではなく、雲海のように、地上の霧の上に抜けて来たことがわかる。「天」が近い。本質の世界を観るというのはこういうことなのだろう。自分の観るべき世界・宇宙のレイヤー、次元を見失わないようにしなければならない。ただ注意すべきは、このレイヤーの違いは優劣としての「次元が高い」・「次元が低い」ではないということだ。ともあれ、自分が観るべき次元・レイヤーはある。

神・仏に、「密教行者としての自分を使って下さい。」と祈念する。

登拝、往復で約2時間。降りてきて再び拝殿にて一礼。拝殿裏にて御神水を頂く。


帰り道、いつものように若宮社へ。やはりいつ見ても「観音堂」だ。


若宮社前を通りかかった猫。


行ってしまった。

12:00過ぎ、大神神社出発。箸墓古墳横、天理市内を抜け奈良市内方面へ。

途中、天理市内中西ピーナッツ場所)にて買い物。かねてから気になっていた、その場で挽いてくれるピーナツペーストと、柚子胡椒味の柿ピーを購入。

さらに奈良市内に入ったところで、昼食に丸亀製麺にてうどんを食す。

興福寺前から二条大路を西に進み、平城宮跡を抜けて秋篠寺へ。

秋篠寺


秋篠寺東門



東門から入ってすぐ右手に香水閣(こうずいかく)がある。香水(こうずい)とは、仏様にお供えする清らかなお水のこと。儀式によっては実際に相応の種類の香木を和すこともある。中には、大元帥明王が姿を顕した霊泉の閼伽井があるという。


境内の美しい苔。


本堂。国宝。


優美な姿。

堂内の諸仏に順に参拝。やはり伎芸天さんは圧巻。ぱっと見の押しが強い訳ではない。しかし、しばしお堂の中で静かに参拝していると、そこだけ異彩を放って空気が違うことがわかってくる。先日、初めてお会いした後は完全に圧倒されて、この世ならざる感覚がしばらく抜けなかった。

今日も、本堂内の長いすに座りしばらく見つめていると、見つめれば見つめるほど、あちら側の世界に入って行く。なんなのだろうか、これは。

最後に、ご本尊正面にて心経一巻お上げする。「自分の行者としての「芸」・技術を使わせて下さい。」と祈念する。

帰りがけ、もう一度伎芸天さんにご挨拶すると、確かに、とても笑っておられた。

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