2018年12月22日 三輪山・久米寺・唐招提寺・東大寺二月堂お参り

今回の行程
(HOLUX
ezTour for Loggerにて作図)
毎年の恒例になっている、冬至の三輪山登拝に向かう。ただ、今年は生憎の雨模様となり、 まずは現地まで行ってみて無理なく登れるようなら登り、 あまり雨が酷いようなら無理はせずに今回は拝殿からのお参りとしようと考える。
そして帰路は東大寺の二月堂と俊乗堂、辛国社にお参りし、11月のご報告に行こうと思う。
また三輪山まで行くのに併せて、今回初めて橿原市内の久米寺にお参りし、 役僧を務めている知人に挨拶に行こうと思う。
更に、今回も共にお参りするY女史のたっての希望もあり、 唐招提寺の鑑真和上御廟にご挨拶に伺おうと思う。
三輪山・大神神社
7:20ごろ京都市内出発。
(以下、写真をクリックすると大きなサイズで表示します。)
9時過ぎ、大神神社大鳥居横の駐車場到着。まず、祓戸の神様、おんぱら社にお参りし、身を清める。
一の鳥居をくぐり昔からの参道を進む。
通称下の社、大神教本院にお参りする。やはり感じる、おばあちゃんの家に帰ってきたような
懐かしい感覚。お参りをして、自分は世界に水を巡らす水の行者だということを改めて思い出す。
このところバタバタしていて様々な雑音に悩まされていたが、お参りは自分を「素」に戻してくれる。
だからこそ、お参りを欠かすことはできない。
二の鳥居前到着。雨が結構降っている。やはり今回は登拝は見合わせて麓からのお参りとさせて頂き、
登拝はまたの機会にしようと思う。
しかし、境内は雨でしっとりとしていて気持ちが良い。
電灯や御神札授与所の設置など、初詣の準備が進められている。
拝殿横には来年の干支の猪の絵馬が掲げられている。なかなかやる気のある猪さん。
今回、宝物収蔵庫を初めて拝観する。子持勾玉はじめ、禁足地や山の神磐座の巨岩の下や周囲から出土の
祭祀器などが特に興味深い。古代においてはどのような祭祀が行われていたのだろうか。
収蔵庫を出て改めて見上げる山は、またいつもとは違った神聖な空気を感じる。
続いて狭井神社にお参りする。雨が降る中にあっても、境内はほの明るく見える。
三輪山の登拝口はここにあるが、やはり雨のため今回は見送ることにする。
久延彦神社に向かう途中にある、大美和の杜の丘から大和盆地を見下ろす。
久米寺
昼食をはさみ、畝傍御陵近くの久米寺にお参りする。知人の役僧さんとしばし話などした後、
お参り。
その後、境内にいる野良猫たちと戯れる。野良猫の割にとても人懐こい。
毛並みもきれいで割と肥えているので、お世話をしてくれている人はいるようだ。
文化財保護の観点から建物の中には入れてあげることができないという話ではあったが、
幸せに暮らしてくれることを祈る。
唐招提寺
久米寺を後にし、北上して唐招提寺に向かう。唐招提寺は何年か前にアメリカの大学で建築を教えている 友人が、学生たちを連れて日本にやってきた時に一緒にお参りして以来となる。 その時は慣れない英語で学生達に説明をしたりしていてなかなか場を味わう余裕がなかったが、 今回はゆっくりお参りしようと思う。

南大門をくぐり、金堂を望む。やはり、天平時代の寺は、京都の寺とは空間のスケール感が全く違う。
鼓楼(向かって左)と礼堂(同右)。礼堂は僧侶が起居する僧房だったとのこと。
天平の僧侶たちは厳しい戒律に従いながらここでどのように生活していたのだろうか。
金堂(向かって右)と講堂(同左)から鼓楼と礼堂を望む。
唐招提寺は整然として理知的な雰囲気を感じる。
続いて開山堂にお参り。平成に入って国宝の鑑真和上坐像を模して造立された御身代わり像を拝する。
とても静かな佇まい。
さらに奥に進み、開山御廟にお参りする。
ここは他とは全く違った空間。しばし和上の御遺徳を偲ぶ。
今回、同行のY女史の思いを受けてお参りしたが、Y女史曰く、鑑真和上はあれだけの苦難を越えて日本に
戒律を伝えた程の激しい方であろうに、とても静かな感じだと。
更に、境内西端の戒壇へ。戒壇とは、僧侶となるために戒を授ける授戒(じゅかい)が
行われた場所で、現在は3段の石壇のみが残っている。もとはこの基壇の上に建物が
あったのだろうが、現在は代わりに昭和53年にインド・サンチーの古塔を模した宝塔が
築かれている。
前回唐招提寺に参拝した時にはここにはお参りしなかったように思う。
ここが言わば唐招提寺の心臓部。ここも、他とは全く違った空間が広がっている。
ここは宇宙と繋がっている。とても未来的な感じであると同時に、とても懐かしい。
子供のころから知っている世界。この宇宙に飛び立つために自分は得度したのだということを
改めて思い出す。仏教・密教は宇宙に飛び立つための技術。それを見失いかけていた。
ここへはまた折々お参りに来たいと思う。人間界にあって本質を見失いかけた時、
ここで本質を再確認しよう。
東大寺
若き弘法大師も、密教の真髄に出会わんことを祈願したという大仏殿。
二月堂にて、観音経一巻上げる。
局を出て大仏殿を振り返る。手前は良弁杉。
お参り了って向かって右手奥の遠敷神社と山手観音堂にお参り。本尊如意輪観音。
そして俊乗堂に向かう。俊乗堂の重源大徳にご挨拶・ご報告。自分の信じる本質の道を進みますと。
最後に、俊乗堂西、猫段上の辛国社の天狗さんにご挨拶し、本日のお参りを終える。